■ヤングケアラーとは
「ヤングケアラー」とは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話(ケア)などを日常的に行っている子どものことです。例えば障がいや病気のある家族に代わり、買い物・料理・掃除・洗濯などの家事をしていたり、家族に代わり幼いきょうだいの世話をしていたり、家計を支えるために労働をして、障がいや病気のある家族を助けている子どもなどが当てはまります。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの行った調査によると、アンケートで「世話をしている家族がいる」と回答した割合が、中学2年生では5.7%(17人に1人)、全日制高校2年生は4.1%(25人に1人)、定時制高校2年生は8.5%(11人に1人)となりました。また、通信制高校の生徒では11.0%(9人に1人)にのぼりました。
ヤングケアラーへの支援においては、まずヤングケアラーを早期に発見することが重要です。しかし、家庭というクローズドな環境で起きているため発見しづらい状況にあります。また、そもそもヤングケアラーである子ども自身やその家族が問題を認識していないという側面もあります。
ヤングケアラーへの公的支援は緒についたばかりです。当事者たちによる相互の支え合いから、民間としてできる幅広い支援活動が求められています。
■ヤングケアラーの抱える課題
学業への影響 ケアに追われ、学校の遅刻・早退・欠席が増えたり、家庭での学習時間が取れないなど学業への影響が予想されます。その結果、成績が低下したり進学を諦めざるを得ない可能性があります。
心理面への影響 色々なことを体験しながらゆっくりと精神面の成長を育む期間にあるヤングケアラーが、本来抱えなくていいストレスや孤独感を感じたり、他の若者たちが経験することができる自己成長や自己実現の機会が制約される可能性があります。
人間関係への影響 ケアを優先し自分自身の時間が少なくなることにより、友人と過ごす時間や部活動に参加する時間がなくなったり、友人との距離感が生じてしまったりして、ますます孤独感を強めていく可能性があります。
就労への影響 学業への影響は、そのまま就労や所得の問題に影響します。ケアを優先するあまり自分らしい将来を選択できなかったり、そもそも考えることができなかったりする可能性もあります。
こうしたことから、まずはヤングケアラー自身が自分自身の課題を抱え込むことなく、周囲が社会の課題として捉え、世代に応じた多方面の支援を充実させていくことが求められています。
■ヤングケアラー対するNPO等の取り組みの一例
ヤングケアラーに関する調査・啓発
ヤングケラーに対する無料相談
ヤングケアラーへの学習支援、就労支援
家庭への支援(介護、家事、就労支援等)
ヤングケアラーだった大人への支援 等
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