特定非営利活動法人DV対策センター
- パブリックリソース財団
- 10月16日
- 読了時間: 4分
支援対象期間:2024年度
支援カテゴリ:児童虐待・社会的養護

本事業では、DV・虐待被害を受け避難を余儀なくされた母子を受入れ、安心安全な住まいの提供及び自立へ向けたアフターフォロー支援の提供を行った。
10歳以上の男の子やペットと一緒に避難したい世帯、携帯電話を預けられない事情がある方など、公的シェルターには入れないと言われてしまった母子を中心に、のべ1781名の受け入れを行った。仕事やこれまでの人間関係等をすべて捨ててくる人も少なくない中、子どもも不安を抱えてくるケースが多かった。
当方に入居する子どもは、面前DVを含めるとほぼ100%の子どもが虐待を受けていたことになる。避難後は、加害者の激しい追跡があり、学校に行けなくなる子も少なくない。当方では、学習の遅れが出ないように、手厚く学習支援を行い、小中学校と連携し、出席扱いにしてもらっている。長い子で約3か月学校に行けなかった子もいたが、学習支援を行っていたことで、学習の遅れもなく、すんなりと新しい学校に通うことができたことは大きな効果の1つである。さらに、虐待を受けた影響により、人が怖くなり不登校となる子もいる。そのような子には、メタバースを用いて学習支援を行うことで、社会と繋がるツールを提供することができた。
さらに、DV・虐待を防ぐ活動としてエンパワメント講座を月に2回以上、定期的に行った。「暴力はなぜいけないのか」だけでなく、「対等な人間関係の作り方」や、「自由と責任」「義務と権利」など、倫理観向上に寄与した。そのほか、「自分の強みを見つけるワーク」や「ドリームマップ作り」など、自尊心向上のためのプログラムも提供した。当方が安全・安心な居場所を提供することにより、今まで長年虐げられてきて不安な中で日々を過ごしていた女性・子ども・若者が、自分らしく生き生きと過ごしていく時間を取り戻し、前向きに生きていこうとするきっかけを提供した。さらに適切なアフターフォロー支援を行うことで、社会に役に立てるようになりたいと思うようになる、自己肯定感が上がり笑顔が増えた、学習や部活などに意欲的に取り組むようになる等、自立に向けて前に向かって進んでいく力を養う効果があった。この事業を通じて、家庭の中で虐げら苦しんできた女性・若者・子どもに夢と希望を与えることができ、再び社会で活躍でいる、または社会と繋がっていける為の礎を築くことに寄与することができた。

■ 子どもたち・受益者の声
子どもSくん
「お父さんから殴られたり、ごはんを無理やり食べさせられたりしてきた。避難して初めて、それが当たり前じゃなかったんだと分かった。あと、優しい大人の人もいるんだと知った。」
子どもMくん
「避難してから、人と会うのが怖くて学校に行けなくて、おうちでも家族のお世話をしないといけないのが辛かった。でもラフェリーチェの居場所があって、勉強したり、趣味の話をしたりして、生きる元気をもらえた。」
子どもOちゃん
「避難してすぐは、スタッフさんの顔を見ることすら出来なかったけど、優しく寄り添ってくれたおかげで、少しづつ信用出来るようになった。人と関わる練習が出来たお陰で、新しい中学校でも友達ができた。」
保護者Kさん
「当時中学生と小学生の子、二人を連れてお世話になったあの日を一生忘れません。DVを受けた心のケアはまだ時間がかかるかもしれないけど環境が変わることができたことに感謝しています。こちらは避難したら支援は終わりではなく、食支援、学習支援、エンパワメント講座等、その後の生活の支援があることが本当に助かります。いつもありがとうございます。」
■ みなさまへのメッセージ
この度は、ご寄付を賜りまして、誠にありがとうございました。
当団体への避難希望の問合せは年々増加している一方、運営は厳しい状態にあります。
また、DV・虐待支援は、避難して終わりではなく、その後のアフターフォローも非常に重要であり、長期的な支援が求められます。こうした中で、今回フコク生命様より助成を頂くことができ、多くのDV・虐待に苦しむ母子を受入れ、自立まで繋ぐことが出来ました。
改めまして、助成いただきまして誠にありがとうございました。
<団体情報>

団体名:特定非営利活動法人DV対策センター
団体WEBサイト:https://dvtaisaku.jp/
対象となる活動:DV・虐待の被害者母子のための住宅支援
活動概要:DV・虐待被害を受けた母子が避難するためのシェルターとステップハウスを確保する。
対象となる受益者:DV・虐待を受けた被害者で、行政などから手を差し伸べてもらえなかった方。公的シェルターに入れないと言われてしまった方。事業エリア:対象者は全国(地域を限らない)、拠点は横浜市




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