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​社会課題について考え、行動する『フコク生命 寄付サイト』
フコク生命 THE MUTUAL基金

特定非営利活動法人 自立支援ネットにいがた

  • パブリックリソース財団
  • 10月16日
  • 読了時間: 6分

支援対象期間:2024年度

支援カテゴリ:児童虐待・社会的養護


就労に向けてのPC学習
就労に向けてのPC学習

私たちのプロジェクトは「社会経験の浅い10代や社会的養護を経験してきた若い女性の居住及び自立支援」です。この事業の対象者は、困窮女性のうち社会経験の浅い女性で、具体的には10代後半から30代の、保護者のいない人、ヤングケアラー、ペアレンティフィケーションされている子、親からネグレクトされている子などを想定しています。

受入れ施設は、当法人が所有するシェアハウス型賃貸住宅です。居室は個室(床面積8㎡)で計4室、共用部分には玄関、食堂兼居間、台所、洗面所、脱衣所、浴室、トイレがあります。休眠預金活用事業で2024年1月に竣工した築浅物件です。対象者との間で普通借家契約を結びます。


THE MUTUAL寄付金の使途は以下の通りです。

  1. 自転車2台とヘルメットの購入代金、自転車保険料

    対象者の通勤・通学を含む日常生活に必要な移動手段で、自転車は法人所有で対象者に受入れ施設入居中に無償で貸出し、ヘルメットは対象者に贈与しました。


  2. スーツ、ブラウスなどのフォーマル・ウェアの購入代金

    対象者の職業訓練校や専門学校での入校式や修了式、就職面接時等に必要な衣類で対象者に贈与しました。


  3. ノート型パソコン、プリンター、トナー、印刷用紙の購入代金、アプリケーションのサブスクリプション料金代

    対象者の学習、求職活動、日常生活など暮らし全般に必要なコンピューターとその関連品で、コンピューターは法人所有で対象者に無償で貸出し、アプリケーションは対象者が利用した。


寄付金事業期間中の対象者は3名でした。

第1の対象者は、事業開始早々の5月に入居しましたが、1か月未満で退去したので寄付金を使う機会はありませんでした。

第2の対象者は、Webデザインの勉強を希望したため、当職員がアドバイスを行い、職業訓練校の6か月コースを受講しました。①の品を使って元気に通学し、自宅での宿題作成では③の品が大いに役立ちました。アプリケーションはAdobe Creative CloudでWebデザインには不可欠でした。修了時に授与された「求職者支援訓練修了証明書」にはグラフィック実践デザイン科 総訓練時間632時と記載され、次のステップへ進む自信がついたようです。「まちかど館」入居時は、生活が不安定で繰り返し体調不良に陥っており、休日の体調不良時には、理事長がタクシーで救急医療センターへ送迎するなど、生活の支援を行ってきました。訓練校修了時には、入居したころに比べ、顔の表情もしっかりしてきたように思います。今年の5月に、自立を希望し民間アパートへ転居しました。

3人目の対象者は、入居時には多額の債務があったため、当法人役員の弁護士に相談し自己破産の手続きを進めました。同時に、生活の安定と将来を考えるために若者サポートステーションへの定期的相談につなげました。本人の希望は洋菓子の製菓職人のため、ハローワークと連携して来年4月受講を目指し準備を進めています。受講開始までには期間があるため、本人の意思確認をしながら短時間労働を勧め、前職で経験のあったコンビニエンスストアに就職して①を使って週3回、2時間/回働いています。生活時間の管理と貯金を目標に前向きに頑張っています。②の品は学校訪問、就職面接でおおいに役立っています。


自転車での移動
自転車での移動


■ 子どもたち・受益者の声


2番めの対象者

  • (職業訓練校通学中)学校から戻って来て「まちかど館」設置のパソコンが利用できて、宿題をスムーズに行うことができました。

  • 自転車は、通学や日常生活の移動に大変助かりました。

  • (職業訓練校修了)短期ですが就きたい仕事の求人に応募したら、書類選考を通って面接試験まで進んでいます。(最終結果が届く前に転居したので結果は聞いていない)

3番めの対象者

  • 安心して寝るところができたのが、いちばん嬉しかったです。自分の食べたいものを、自分のために自炊ができることが嬉しい。

  • 相談できる人が近くにいるのがありがたい。困った時に早く対応してくれるのがありがたい。

  • サラ金からお金を借りたのは、お母さんからお金を出すように言われたからで、ただただ生活費を渡さなければいけないと思って借金してしまいました。(自己破産手続きが完了した時)あの頃の自分は、生活が何もわからず異常だったと思います。

  • 自転車のおかげで行動範囲が広がりました。就職するにも通勤が楽になって、モチベーションが上がりました。

  • 今まで就職したときは、スーツというものを買ったことが無かったのでいただけてとても嬉しい。来年の専門学校入校式や就活の時に、ほかの人に気後れしないでできると思うので助かります。

  • 今まで自分用のパソコンを買ったことが無いので、あまり利用したことは無かった。タイピング練習をするようになりました。就職したら活用したいと思います。



■ みなさまへのメッセージ


THE MUTUAL基金は、当法人にとって長年の課題だった、女性の住宅困窮者受入れをソフト面から支えてくださいました。

当法人を2003年に設立した当時、新潟には路上生活者が多く、私たちのミッションは、「ハウジング・ファースト」の考え方に基づいて、この人たちに安定した住居を提供することで生活再建の第1歩を築くことでした。この頃の支援対象者はほぼ全員が中高年男性でした。

10年ほど前から、女性、それも児童養護施設を退所した人やヤングケアラー等の社会経験が浅い女性の困窮が新潟でも話題になり、当法人としても「ハウジング・ファースト」の考え方に基づいた事業を構築したいと思っていました。幸いなことに休眠預金活用事業に2023年度に採択されたので、アパートというハード面はかなり良い水準の整備ができました。しかし、これまでの支援対象者の多くが中高年男性だったため、若年女性のキャリア・パスやニーズの把握ができておらず、THE MUTUAL基金のおかげで職業訓練校、専門学校の学生生活を支えることができました。今後は、この経験を活かして事業計画と通常予算の中で学生生活支援を行うよう努める所存です。




<団体情報>

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団体名:特定非営利活動法人 自立支援ネットにいがた

団体WEBサイト:https://sien-niigata.org/

対象となる活動:社会経験の浅い10代や社会的養護を経験してきた若い女性の居住及び自立支援

活動概要:住宅困窮者を受入れるためのシェアハウス型共同住宅を新築して賃貸し、併せて安定した生活を送ることができるよう各種の支援を行う。対象となる受益者:住宅に困っていることが主な原因で生活に困難を抱える人、社会経験が浅く一人暮らしに不安を抱える10代や若者や社会的養護を経験してきた人で住宅に困っている若い女性

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